支援者インタビュー

使ってみよう! 指伝話


テクノエイド協会のシーズ・ニーズマッチング交流会で出会った新しいコミュニケーションの方法“指伝話”の開発者にインタビューしました。

指電話、インタビュー

Q.指伝話文字盤を作ったきっかけは?

リハビリテーション関係者とALSの方のお宅に伺った時、透明文字盤をスタッフや家族が使っているのですが、なかなか読み取れない。患者さんは年配の方で辛抱強く文字を選んでらっしゃいました。
それならiPadの指伝話をスイッチで使えば、話したいことはすぐ選べるからいいかな?と思ったのです。私も透明文字盤はそんなに得意ではなかったので。
ところが、他のALSの何人かの方もそうでしたが、みなさん指伝話を使いたがらない。
便利なのに(笑)。

指電話1

Q.その方たちに理由を聞いてみましたか?

はい。
よくよく伺ってみると、定型文だけだと細かいことが言えないし、定型文以外のことが伝えられなくなる不安があるということでした。
私は、普段よく使うことばを指伝話でぱっと選べば、疲れないしイライラしないで会話を楽しめていいかなと思っていました。
定型文にない会話はiPadのキーボードで打てば大丈夫だろうと私は思っていました。
でも、スイッチ操作で五十音表から文字を拾うのはなかなか大変でした。それなら使いやすい文字盤があればいいなと思って開発することにしました。

Q.でも、最初のバージョンはスイッチで使うようにはなってないのですよね?

基本的にはお話しになる人と介助する人とがペアで使うようになっていますが、いまのバージョンでもスイッチを使って2つの信号が送れれば1人でスイッチ操作することも可能です。
いわゆるワンスイッチでの操作は、バージョンアップを待ってください。そう遠くない日にリリースします。
それでも、基本は人が介在して会話するアプリで在りたいと思います。コミュニケーションは人と人とのことばのキャッチボールですからね。

Q.アプリは1人で開発するのですか?

小さいチームで知恵と力を出し合って作ります。こびとの靴屋みたいな感じです。
技術者だけだと、機能は技術的にすごくても使いにくいとか、デザインが変というより恥ずかしいレベルだったり(笑)、自己満足で終わってしまいます。チームだと、スパッといらないものを切られます。最初の構想では、カタカナや英字もありました。最終版はプロトタイプの時よりずっとシンプルな画面です。機能を削ることで使い易くなることもあります。
指伝話は特許を取るような技術ではないですが、使う人と気持ちを重ねて作るのが私たちの技術だと思っています。

指電話2

Q.ALS協会もテストに参加しました。

ご協力いただきありがとうございました。
テクノエイド協会のシーズ・ニーズ・マッチング推進の取り組みでALS協会をご紹介いただきました。プロトタイプを初めて岡部さんにお見せしたら、「それで話しましょう」と口文字で通訳の方におっしゃって、いきなり実践。まだ動きの怪しい最初の試作版を緊張しながら使ってお話ししました。
「それならだれとでもはなしができる」と言っていただいたのが、岡部さんと私の最初の会話でした。透明文字盤とは違い岡部さんの目の合図に集中できたし、選んだ文字を覚えておかなくてよいから、初めてでしたがすぐに話せました。同時に、たくさんの課題がリストアップされました。実際に使っていただいてから改善したところがたくさんあります。介助をされている方たちの意見もたくさん伺うことができました。

リリース直前のテクノエイド協会の「シーズ・ニーズマッチング交流会」で、指伝話文字盤を使って岡部さんとお話しした時は、冗談ばっかり言うのでずっと笑ってました。岡部さんの笑顔を見たのは初めてでした。いつもクールに決めてらっしゃるから。嬉しかったです。

Q.指伝話文字盤をどんな風に使って欲しいですか?

出先で新幹線や飛行機を待っている時に、自分でお話しがしづらい人とたまたま隣合わせになった時に、どうやって話をしていいかわからずドキドキするのではなく、指伝話文字盤で話しかけてみよう!ってポケットからiPhoneを取り出して欲しいです。
話しをすればお互いのことがわかり、不安、誤解、偏見がなくなるでしょう。お互いが尊敬できる相手だとわかれば、お互いに相手を思いやる世の中になって笑顔が生まれると思います。
指伝話文字盤は唯一無二のコミュニケーションアプリではありませんが、そんな笑顔のきっかけに使って欲しいと思います。

Q.今後はどんな形に進化しますか?

まずは、文字をリズムよく選べる工夫をした半自動スキャン、ワンスイッチで使える自動スキャンのそれぞれのモードの対応をします。
その次の機能案も既に開発を進めていますが、皆さまのご意見を聞きながら磨いていきます。
でもそれも1つのきっかけです。いまはiPadで電気をつけたりカーテンを開けたり、スイッチ1つが使えれば色々できます。指伝話文字盤をきっかけに、不便なことはICTで解消して楽しく過ごせることを知っていただきたい。そして「いいことを思いついた!」とひらめいたことを指伝話で教えて欲しいです。新しい製品のきっかけになるかもしれません。一緒にお仕事できますね。
またお力添えください。よろしくお願いします。

参考URL:http://www.yubidenwa.jp/mojiban/

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