ALSと診断されたら

診断後、まず読んでほしいこと


筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断されたら、まず読んでほしい。(JALSAからのお願い)

ALSとはどんな病気?

ALSは、運動神経系が少しずつ老化し使いにくくなっていく病気です。運動神経系の障害の程度や進行速度は個々の患者さんでみな異なっています。知覚神経系は障害されないと言われています。ALS患者さんは、長い間、発症後3~5年で生じる呼吸筋麻痺や嚥下筋麻痺で亡くなる病気とされてきました。しかし、現在では呼吸の補助や経管栄養、胃ろうなどの発達により、長期に療養することが可能となってきています。呼吸の補助をしながら療養している患者さんでは、会話による意思疎通が図りにくくなることも少なくありません。そのような場合でも、残っている他の運動機能系を用いて会話以外のコミュニケーション手段が様々考えられてきています。また、ALSは国の特定疾患に指定されており、公費による医療費の自己負担分の一部や全額の助成を受けることが可能となっています。さらに、ALSの原因追及の調査研究により良い療養ケアの推進が積極的に行われています。

(※)病気について、より詳しくは「治療の進め方」ページをご覧ください

ALSはどんな病気?

変わるALSの治療とケア。「新しいALS観」とは

ALSは、有名なフランスの神経病学者Charcot(シャルコー)によって1869年に報告されて以来、「呼吸筋麻痺=ALSのターミナル(終末)」としてとらえられてきました(今までのALS観=Charcot‘ALS,)。しかし、呼吸筋麻痺への呼吸補助や嚥下筋麻痺への胃ろう造設技術開発から、「ALSの呼吸筋麻痺と嚥下筋麻痺は一つの運動系麻痺でALSの全臨床過程の一過程」と考えられるようになりました(新しいALS観)。つまり、呼吸筋麻痺=「死」ではないという考え方です。「新しいALS観」は、呼吸を補助している患者さんも生活していける療養環境を整えることが、医療の役割であるという考え方です。
しかし、現在、医療・福祉のサポート体制は、呼吸補助や胃ろうをつけながら生活していける患者、家族の方が皆と同じように生活していけるような療養環境には未だなっていません。「新しいALS観」を広く一般の方に知ってもらい、ALS患者・家族が今の社会で普通に生活していけるように取り組むことが大切です。

「新しいALS観」とは

ALSで受けられる助成等

(1)特定疾患医療費助成(届出・申請先は所轄の保健所)
・診断した医師からの指示があるはずですが、ALSは国の特定疾患として医療費の費用助成を受けることが出来ます。

(2)高額療養費の還付制度(請求先は保険者)
・1ヶ月あたりの入院・外来を含めた自己負担額のうち、一定の金額を超えた分が、約3ヶ月後に還付されます。 (ただし、世帯の所得状況や受診者の数などによって計算方法が異なります。)
入院の場合、「限度額適用認定証」(保険者発行)を提示すると、高額療養費分が健康保険から直接、病院に支払われますので、窓口での支払い分が軽減されます。

(3)障害者医療費助成制度(自治体の福祉窓口で、身体障害者手帳の交付を受ける)
・身体障害者手帳を有する人の全科にかかわる医療費の自己負担額(室料・文書料を除く)が助成されます。ただし自治体によっては、所得に応じて一部負担金を求めるところがあります。

(4)生命保険の入院給付金などを利用する
・契約によって異なりますが、生命保険にご加入の場合、各保険会社の契約に定める高度障害(契約約款に規定)の状態になったときには、保険金の免除または満期(死亡)保険金が支払われます。入院特約など種々の特約がついているものもあり、契約を継続した方が有利な場合も多いので、あわてて解約しないようご注意ください。

4.日本ALS協会にご入会・ご相談ください

日本ALS協会の療養支援部では、会員に対してALS相談室を設けるなどして、診断直後は勿論、患者さんの状況に応じた様々なご相談に応じております。

また、患者さんの命と人権を守ることを最優先に、どんな状態の患者さんをも人間としての共感を持って支えていくことの出来るような、社会の仕組みを作ることを目指し、協会を挙げて活動しております。お役に立てることがあるはずですのでどうぞご利用ください。

→入会のご案内ページへ

■ALS協会療養相談室/
予約制 電話:03-3234-9155

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