米国アペリス社は、孤発性(非遺伝性)ALS成人患者さんを対象とした第2相臨床試験(呼称:MERIDIAN試験)を開始しました。この治験では、以下に該当する患者さん約230名を登録中です。日本では、このうち約40名を登録予定です。
・年齢18歳以上の方
・孤発性(非遺伝性)ALSと診断されている方
・スクリーニング*1時のSVC(肺活量)が予測値の60%以上である方
・過去72週間(約18ヵ月)以内にALS症状の発現を経験した方(治験担当医師の判断に基づく)
・他に神経筋脱力の原因がなく、かつ他の神経変性疾患(パーキンソン病、ハンチントン病など)と診断されていない方
その他の基準も評価した上で適格性を判断します。
詳細情報及び患者さん紹介を受け入れている治験実施医療機関を選択するためには、治験用のウェブサイトhttps://www.meridiantrial.com/をご覧ください。
日本では、北海道、関東、信越、北陸、東海、近畿、九州、沖縄に所在する医療機関で実施予定です。患者さんの受け入れ準備が整った医療機関から、順次ウェブサイトの地図上に赤いピンが表示されます。
治験にご関心がおありの場合は、まずかかりつけ医にご相談ください。
患者さんまたはかかりつけ医がまず上記の治験用ウェブサイトをご確認の上、さらに詳細な情報を知りたい場合、あるいは不明点がある場合は、ClinicalTrials@Apellis.com にメールで問い合わせてください。
なお、治験に参加した場合にかかる費用については、紹介される治験実施医療機関の治験スタッフへご確認ください。治験実施医療機関への来院時の交通費等の負担を軽減するための、負担軽減費を受けとることができる場合があります。
*1:治験では、治験薬*2の有効性や安全性を正しく評価するために、対象となる患者さんの基準をいくつも設定しています。これらの基準に合致していることを調べる(適格性を評価する)ことをスクリーニングといいます。
*2:治験薬とは、薬の安全性と有効性の試験が進行中であることを意味しています。この治験薬には、疾患を引き起こす病原体の除去に役立つ、補体系と呼ばれる免疫系の一部を抑制する作用があります。通常の状態では、補体系は、体に害を及ぼすことなく、病原体や損傷した細胞を除去するのに役立ちます。しかし、時として補体系の活性化が制御されていなかったり、適切でなかったりした場合、体に損傷を与えることがあります。ALS患者様とALSマウスモデルの研究に基づき、補体系の活性化がALSの発症と進行の一因となると考えられています。
(2021/4/23投稿の内容に、一部情報を追加しております)
一般社団法人日本ALS協会