JALSAとは

会長挨拶


御挨拶

5月25日に横浜で一般社団法人日本ALS協会の総会が行われました。私も現地に赴きました。総会及び理事会を経て日本ALS協会会長に再任されました。あと2年日本ALS協会を預かることとなりました。会長2年の実績は考えるに何もないに等しいです。今回の任期こそ結果を求めて動いていきたいと思います。

さて、6月21日は「世界ALS DAY」です。ちょうど10年前、私がFC岐阜社長当時は著名人が氷水を被るパフォーマンスであるアイス・バケツ・チャレンジが流行して、日本ALS協会にも多額の寄付が集まりました。しかし流行というものは一過性で、多額の寄付はその年だけでした。ここで改めてALSの現在地をお話します。患者は全国に約一万人おりほぼ横ばいです。一方で毎年約二千人が新たに発症します。トータルで横ばいということは、毎年約二千人がALSによって命を落としているということです。私は岐阜県出身ですが、岐阜県内にも170人ほどのALS患者がいらっしゃいます。単純計算すると、毎年34人の方が入れ替わっていることになります。私は日本ALS協会岐阜県支部長として何度も会員患者の訃報を聞いて来ました。同胞の死に慣れることなどあるはずもなく、そのたびに胸をえぐられる経験をしております。

私の任期中の再来年には日本ALS協会は設立40周年を迎えます。けれどもそれに対して日本ALS協会の会員は全盛期から半減しております。しかしながら、日本ALS協会は患者・家族の日常生活を守り、ALS根治に向けて全世界の研究者の後押しをしなければなりません。ALSは難病中の難病です。もしもこの病気の治療法が見つかれば他の神経変性疾患の突破口になり得ると思います。我々はALSが救われればいいとは微塵も思っておらず、全体利益のために動いています。

この5月からクレジットカードでの日本ALS協会への寄付及び入会と年会費支払が可能となりました。どんな活動もお金と数の力が必要です。我々はALS当事者の駆け込み寺になるべく活動するので是非入会をお願いします。また当事者でない方も生活に余裕のある方は、何かしらの形で是非仲間になってください。山積みである課題を共に解決しましょう。

最後に企業に合理的配慮が義務付けられましたが、積極的に動いている企業は少ないと感じます。就労問題は障害者全体の積年の課題です。企業は社会の一つの鏡です。企業が本気で合理的配慮に取り組めば、社会は確実に変わると思います。是非とも多角的な形で日本ALS協会と繋がってください。よろしくお願い致します。

令和6年5月25日
一般社団法人日本ALS協会 会長
恩田聖敬

【恩田聖敬略歴】


1978年岐阜県高富町(現山県市)生まれ。京都大学大学院航空宇宙工学専攻修了。高校・大学生活の大半を合唱に捧げる。新卒入社した上場企業で、現場叩き上げで5年で取締役に就任。その経験を経て、2014年4月FC岐阜の社長にJリーグ史上最年少の35歳(当時)で就任。現場主義を掲げチーム再建に尽力。就任と同時期にALS発症。2015年末、 病状の進行により職務遂行困難となり、やむなく社長を辞任。翌年『ALSでも自分らしく生きる』をモットーに、ブログを開設して、クラウドファンディングで創業資金を募り、2016年6月(株)まんまる笑店を設立。講演、研修、執筆等を全国で行う。著書に『2人の障がい者社長が語る絶望への処方箋』。2018年8月に気管切開をして人工呼吸器ユーザーとなる。日本ALS協会岐阜県支部長、岐阜大学非常勤講師、神経疾患音楽療法研究会世話人などを務める。私生活では同い年の妻と2児の父。24時間完全他人介護体制を家族同居で実施中。

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