生き方さまざま

ありのままで/長崎朋子さん


病気の宣告を受けてから約3年になります。その当時、夫とはまだ婚約中だったので、結婚していいかどうかたくさん悩みました。しかし、夫の「結婚する前に病気が分かるか、結婚した後で病気が分かるかの違いだけで、そのことが婚約を解消する理由にはならない」という言葉と家族が「サポートする」という言葉で、結婚を決意しました。

体が動くうちにやりたいことをやろうと思い、結婚式を沖縄で挙げ、行きたかったヨーロッパへ新婚旅行に行きました。きれいな海の前で挙式ができたこと、イタリア・カプリ島の青の洞窟とフランスのモンサンミッシェルに登ったことはいい思い出になりました。

そして、同じ病気の患者さんのため、新薬が早く世の中に出回ってほしいという願いから、HGFとエダラボンの治験に参加しようと決めました。両方の治験を終えましたが、効果は分かりません—(笑)

今は夫とふたり暮らしです。平日の夫のいない時間帯は、ヘルパーさんに来てもらい、家事、身の回りの世話や外出のサポートをしてもらっています。ステーションのリハビリ等も受けています。

大好きな料理をヘルパーさんと一緒に行ったり、買い物や映画鑑賞、女子会等をして、以前のような生活を取り戻しています。

また、今行けるうちと思い、趣味の旅行に夫と出かけたりしています。飛行機に乗ると偶然有名人に遭遇する記録を更新中です。でも、芸人ばっかりですけどね…(笑)

大好きだったダイビングが出来なくなったので、沖縄に海を観に行ったり、夫がダイビングをして魚の写真を撮ったのを観て楽しんだりしています。もちろん沖縄のグルメも楽しみのひとつです。

ヘルパーさん、家族、医療関係者等のアドバイスやサポートを受けながら、今できることに感謝してやりたいこと、自分らしい生き方をしていきたいと思います。

(2015年1月号の機関紙「JALSA」94号から転載)

東京都板橋区 長崎朋子さん 撮影=渡邉 肇

東京都板橋区 長崎朋子さん 撮影=渡邉 肇

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